外資系企業の人材募集ページを端から見ていくと、その会社の色々な事がわかってきます。
初めて外資系への転職を考えている方、すでに人材募集ページをご覧になったとしたら、
『なんの仕事かいまひとつよくわからない』
『自分のスキルで応募できるのかわからない』
『どのぐらいの語学力が必要なのかよくわからない』
のような感想を持ちませんでしたか。
そこで、有名外資系IT企業いくつかの人材募集ページと募集要項を読み解いて、色々と解説してみるこのシリーズ。
Facebook編: 募集要項から読み解く外資系IT企業求人
特集第4回、今をときめくGAFAの4番目、Apple編という事で行ってみましょう!
まずは、Apple(アップル)のグローバル人材募集ページから、東京地区の募集を検索してみました。
意外にもAppleは昔から英語力の要求の低い会社で、必須としない求人がかなりの数掲載されていました。
今回も人材募集ページで確認したところ、50件中14件が日本語のみの募集要項でした。
ちょっと前はもっと日本語のみの募集が多かった気がします。
前回、Facebookの求人でイマイチなのを選んでしまったので、今回は慎重に精査しました。
選んだのはこちらの求人です。
シニアストラテジックセールス – リテールパートナー
今回はこの求人から何が学べるか、レビューしてみましょう。
↓募集要項です。ハイライトした部分を解説します。
(source: jobs.apple.com)
シニアストラテジックセールス – リテールパートナー
セールスとビジネスディベロップメント概要
Apple製品取扱店(CES:量販店)を通じて多くのお客様に優れた顧客体験を提供すると同時に、成長と売上を追求します。
また戦略的なアカウントプランニング、アカウント開拓、関係管理、およびパフォーマンスマネージメントなどを担当します。
そしてセールス、マーケティング、ファイナンスなど、社内の各部門と連携してビジネス上の問題を解決し、Appleとお客様の双方を成功に導きます。必要なスキルと能力
戦略立案と実行やビジネスディベロップメントの経験のある方
経営幹部クラスとの交渉経験または能力のある方
複数のアカウントの管理能力のある方
高い問題解決能力、データ分析力
高いコミュニケーションスキル、英語が出来れば尚可
様々な状況、変化への対応力
常に期待値を上回る姿勢
ITへの興味や知識がありオンラインビジネス経験があれば尚可
明るく、前向きで、諦めない強い意志のある方説明
・ Apple製品の売り上げを伸ばしつつ、最高の顧客体験を実現できるよう、双方にとってのビ ジネスチャンスを見出し、戦略的ビジネスプランを立案、実行する
・ 担当量販店に対し、サポート、トレーニングやコンサルティングを行い、パートナーリレーションを強固なものにし、販売の最大化を図る
・ チームとしての効果も最大限に発揮できるよう影響力を与える
・ 社内各部門と連携をとりながら、拡販の為のイベント、セミナー、トレーニングなどのプロ グラム運営や販売在庫報告の管理など行う
シニアストラテジックセールス – リテールパートナー
こちらはAppleの販売店担当営業のポジションのようです。
セールスとビジネスディベロップメント、とも記載がありますが、単純なルートセールスでなく、事業開発や戦略的な提案を期待されているようです。
Appleの製品取扱店といえば大型家電量販店と通信キャリアの店舗を考えますが、通信キャリアは別部署の募集がありましたので、この募集は家電量販店向け営業でしょう。
概要
✅戦略立案と実行やビジネスディベロップメントの経験のある方
繰り返しになりますが、この求人ではルートセールスでなく、戦略的な新しい提案ができるスキルを期待されています。
外資系的な発想では『ビジネスデベロップメント(business development)』という時には、新しいパートナーをみつけてゼロから新しいビジネスを立ち上げるような活動を想定しています。
きっと将来的には全く新しいカテゴリーの販売パートナーを開拓してくれるような手腕が期待されています。
✅経営幹部クラスとの交渉経験または能力のある方
『経営幹部クラスとの交渉経験』ー他のGAFA求人でも出てきましたが、スピード感を持って大きなビジネスを進めるためには、大きな決裁権を持っている方々と交渉を進める必要があります。
日本の企業が相手の場合、かなり上のクラスの幹部と交渉になる事が多いですが、堂々と立ち回れる経験か能力が求められています。
逆の見方をすると、日本の会社で営業課長・部長クラス以上の方でもやりがいのある仕事と考えられます。
経営幹部との付き合いを想定していますので、名刺のタイトルはもっと偉そうなものになるでしょう。(外資系営業では定番の名刺肩書インフレ)
✅高い問題解決能力、データ分析力
『問題解決能力(problem solving skills)』ーこちらのフレーズもまた登場です。
外資系式のプロジェクト・ビジネスの進行はスピードが凄く早い一方、突発的な問題が発生する頻度は高めでもあります。
何か問題が発生した時、素早くリスク・アセスメントと対応策が打てるか、問題解決能力の高さを求められることは多いです。
面接に進んだ場合、これに関連した質問は必ずされると思ってください。
『過去に仕事で直面した大きな問題と、その解決方法を説明してください』のように聞かれます。
こういった数値化、定量化できない能力をソフトスキルと呼びますが、外資系ではソフトスキルを重要視する傾向があります。
✅高いコミュニケーションスキル、英語が出来れば尚可
この求人は最悪英語ができなくても大丈夫そうですが、油断されることなかれ。
同じレベルの候補の方がいて、そちらが英語ができると落とされちゃいますよ。
営業職は英語でのコミュニケーション能力はあまり問われないケースが多いですが、大きな社内交渉をする場合本社レベルを巻き込んだりすることもありますから、英語は出来るほど仕事のしやすさでも有利になります。
外資系を目指すならどんな職種でも英語の自主トレは怠らないようにしましょう。
✅様々な状況、変化への対応力
外資系企業の場合、本社の一存ですごく大きな変化が突然おきることがよくあります。
例えば、しばらくは続くと思った製品が今日で販売終了とか。
特にAppleの場合、秘密主義が高じて、日本支社に連絡が来るのが発表とほぼ同時だったりして、対応に右往左往することもあるでしょう。
特に営業の場合はすぐに顧客への対応策を講じる必要がありますので、変化への適応力は大変重要です。
✅ITへの興味や知識がありオンラインビジネス経験があれば尚可
Appleのマーケティングやエンドユーザー対応職の場合、『Apple製品に対する習熟した知識』、『Apple製品に対する情熱』みたいなのを求められます。
この求人ではそのへんがないですし、ITへも興味知識レベルしか要求されていないですね。
他の製品を扱ってきた腕利き営業で、これからApple製品バリバリ売ってみたいあなたにはピッタリの仕事かもしれませんよ。(笑)
他の営業職でも同じ感じだったので、営業関係の求人では、Apple愛や知識より、ビジネススキルが一番重視なんでしょうね。
そういえば、本件もそうですが、外資系の求人って待遇に関して書いてないですね。
ちなみにAppleの待遇ですが、私の知る限りでは外資系IT企業では昔からトップクラスです。
うまく面接を通過すれば『えっ』ってぐらいの年俸オファーがあるかもしれません。
まとめ
- シニアストラテジックセールス – リテールパートナーは、Appleの量販店パートナーのアカウント統括および新規事業開発をする営業職です。
- この職種は量販店パートナーのビジネスを最大化させるだけでなく、新しい施策の提案と実施を通して、さらなるビジネス拡大を目指します。
- 経営幹部クラスとの交渉術と問題解決能力に長けた人材を探しています。
- 高いコミュニケーション力が必要で、英語が出来れば尚可です。
このお仕事、日本の会社のバリバリ営業マンが外資系に転職するのに良さげな案件ではないですか。
募集要項から読み解く外資系IT企業求人、今回のシリーズ第4回のApple編で最後となります。
Google、 Amazon、Facebook(外しましたがw)、Apple、4社の募集要項をみると、外資系IT企業が求める人材像の共通点が見えてきましたね。
日本人のスタッフレベルではなかなか経験のできない顧客・社内のマネジメント層へのアプローチ経験、部署間をまたいだプロジェクトリーダーシップ経験、高い問題解決能力など。
私もこれまで外資系企業で働いてきた中で、これらのスキル・経験は絶対的に必要なものと感じています。
これまでの職責の中でこういった部分を得意としてきた方には、外資系IT企業は働きやすい環境と言えます。
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