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外資系企業の給与体系と昇給のしくみ【徹底解説】

入社後の待遇

外資系は基本的に成果主義になっており、給料はその人の職種や経験によってバラバラです。
この記事では、外資系企業の給与体系と昇給の仕組みについて、詳しく解説します。

給与体系


基本給 |
base salary

外資系は基本年俸制となっており、それを12等分して毎月支払う事が一般的です。
日本企業の支払い体系にあわせて、ボーナス分も分割して払う外資系企業も一部あります。(例:18等分してボーナス3か月x2を支払い) 
通常、職級(job grade=ジョブグレード, job level=ジョブレベル)に沿った給与支払いレンジが設定されています。

外資系の基本給は同一職種で日系企業と比較すると平均20%-30%高いと言われていますが、感覚的には基本給で50%ぐらいは高い感じです。
高い給料になる理由の一番は英語力+専門性に対する対価です。
英語力+求められる専門性を持った日本人が少なすぎるので、その分給料を積まないと、欲しい人材が取れないということです。

[参考: Amazonのjob level/職責/給与レンジ表]

レベル一般社員
役職名
管理職
役職名
年俸
レンジ
L1-L3契約社員とパートタイム-
L4Associate, Consultant
SDE
(Software Development Engineer)
-$5-7万
L5Manager
SDE II
Manager$7-14万
L6Senior Manager
SDE III
Senior Manager$12-20万
L7Principal
Principal SDE
Senior Manager, Head$16-30万
L8Senior Principal
Senior Principal SDE
Director (GMレベル)$30-60万
L10Distinguished EngineerVice President$60万以上
L11-Sr. VP$100万以上
L12-Jeff Bezos$81,840

(Source: Amazon Career Levels and Salary Compensation Guide 2019,
What is the salary range for Level 7 at Amazon?)

 

インセンティブ/コミッション |
incentive or commission

営業系など、成果報酬系の職種の場合、ゴール達成率に合わせたインセンティブ(コミッション)が支払われます。
所属地域(日本、アジア)ごとの目標や、全世界の目標などが加味される事もあります。
また、営業系社員以外にも事業部の成果報酬的なボーナスが設定される企業もあります。

業績賞与 |
quarterly & annual bonuses

会社の四半期、年度の業績が良かった場合、業績賞与が支払われる会社があります。
支払われる企業の場合はオファーレター(採用通知書)に給与の条件と一緒に標準額などが記載される事もあります。

残業手当 |
overtime

外資系企業では、職級の低い社員やアシスタント職以外は、裁量労働制とされ、残業手当が支給されないケースがほとんどです。
雇用法的には、基本給に残業代を含む、という前提ですが、仕事で成果を出してさえいれば、毎日定時で帰っても誰も文句はいいません。
少しでも残って仕事をしなくては、という雰囲気にならないよう、外資系の管理職はそういう雰囲気づくりをしてくれる事が多いです。
それと真逆の上司に強制残業などさせられるケースもあるようですが、外資系企業ではそういったハラスメントは禁物。理不尽な事をされたら人事などに相談しましょう。

諸手当 |
misc

外資系では通勤手当を除いて、諸手当と呼ばれるようなものは通常支払われません。
諸手当がない分、日本企業よりもかなり高い基本給が設定されています。
特例として、地域ごとの生活費の違いを考慮して、地域割増手当(geo diff)を支払う会社はあります。
(例: 東京と北海道にオフィスがある場合、東京の社員にだけ地域割増手当を支払う)

サインオン、サインアップ 、サイニング ボーナス |
sign-on, sign-up or signing bonus

採用が急務だったポジション、または前職の給与が高すぎて基本給で調整が難しかった場合、入社後数年のみだけサインインボーナスが支払われる事があります。
次年度以降は単に支払われなくなるか、増益を見込んだRSUで計算上置き換えられます。
acceptance bonusと呼ぶ会社もあります。

制限付き株式(RSU)・ストックオプション |
restricted stock unit & stock option

ドットコムバブルのころは、ストックオプションで一攫千金、のような風潮があり、外資系、特にIT系ではストックオプションが働く醍醐味のように考えられていました。
最近では、ストックオプションを提供する企業は減り、譲渡制限付き株式(RSU: Restricted Stock Unit)をオファーする企業が増えてきています。
RSUはストックオプションと比べると、提供される株数が低めに抑えられていますが、急速に伸びている企業では何年か後に年俸の数倍分になったりします。

採用時の給与


外資系企業の採用時の給料、どうやって決まるのでしょうか?
大きく分けて下記の3つの要素があります。

  • 募集職種の職級
  • 候補者の現在の年収
  • 候補者の希望額

募集職種の職級

誰かが退職した後なら、前任者の職級。
全く新たに採用するのであれば、設定した職種・役職に沿った職級に合った給与レンジが採用の予算になります。
ぶっちゃけるとこのレンジの極端に上でなければ、幾らで採用してもOKなんです。

『給与レンジの極端に上』が好まれないのは、将来の昇給に支障があるためです。
限度額いっぱいだと、職級が上がらないと(昇進)昇給がほとんどなくなってしまいます。
応募する側はもちろん実際の給与レンジを知る由もない*ですが、自分の採用に関して想定する給与の幅はかなりあると思ってください。
*検索すると前述のAmazonのようにどこかに公開されているかも知れません。

候補者の現在の年収

採用の基本ですが、可能であれば現在の年収よりできるだけ多い魅力的な額をオファーしようとします。
自分の現在の年収を申告するとき気を付けたいのは、間違っても基本給だけ伝えない事です。
基本給だけでなく資格・役職手当、住宅手当、その他外資系では提供されない手当諸々、含めて年収を算出しましょう。
でも、嘘はだめですよ。

候補者の希望額

早い段階で、人事担当者や採用マネージャーが、希望する年収を聞いてくることがあります。
面接の基本ですが、不自然にならない限り、1次面接で希望の年収を言っちゃだめですよ。
答えをうまくはぐらかして、交渉の余地を残しておいて、最終面接段階に来たころに話しましょう。
あと、転職エージェント経由の面接の場合、給与に関する話は全てエージェントに任せるのが一般的です。

査定と平均昇給率

外資系企業では、社員全体の平均昇給率を考えても意味がありません。
昇給に関しては最も成功した社員たちに比重を置いて行われ、残りの社員には残った僅かな予算を割り当てるだけだからです。

外資系の年次査定(focalと呼ばれる場合が多いです)はかなりフェアーに行われます。

同じカテゴリーの職種同士、近い職級レンジの社員の年次功績を、マネージャー達が持ち寄り、昇進・昇給率の提案をします。年功序列が考慮されることはまずありません。

通常、この査定プロセスで、最も成果を出した社員と、最も成果が出なかった社員、平均的な成果を出した社員を洗い出し、合意します。

  • 最も成果を出した社員は職級アップ(promotion – 昇格) または大幅な給料アップとなります。
    職級アップでは年俸が50%近く上がることも珍しくありません。
    昇給予算の多くの部分は、成果を出した社員たちに割り当てられます。
    昇給予算は会社の年度業績などにより毎年変わります。
  • 最も成果が出なかった社員は昇給ゼロ、あるいは職級ダウン(demotion – 降格)で大幅減俸になるケースが多いです。
    この層は全体の数パーセント程度で、悪い評価を受けた社員はPIP(成果改善プログラム)入りでマネージャーの厳重監視下に入ります。
    早い話が近い将来のクビ候補です。
  • 平均的な成果の社員は、昇給率数パーセント程度の場合が多いです。
    定期昇給のようなものと考えてもいいですが、会社の業績や他社との比較で決まっていますので、必ず毎年決まった額が上がるわけではないです。
    会社にもよりますが、日本企業の年次昇給率と同程度かちょっと上ぐらいの場合が多いです。
    ただし、無茶苦茶業績悪いと全員昇給率ゼロの場合もあるのが、日本の会社と違うところでしょうか。

外資系の査定プロセスは、マネージャー達が自分の部下の昇給を得るための、年一回の大バトルになります。
私も何回もやりましたが、準備とプレゼンテーションと議論と、もの凄くエネルギーを使う作業で、かなり疲れます。
でも自分の部下たちの人生を左右する事なので、手を抜くわけには行きませんから。

個人的には外資系の査定のプロセスはフェアーで好きなのですが、大きな欠点があります。

査定の結果がマネージャーの能力にかなり左右されてしまう事です。

査定が得意、プレゼンや交渉が得意なマネージャーについていればラッキーですが、逆だった場合。
あるいは、部下の昇給・昇進にあまり熱心でなく、いつも平均点しかつけないようなマネージャー。
他の人に昇給予算を持って行かれてしまいます。

入社後、頑張って大きな成果を出したのに、いっこうに給料が上がらない場合、自分のマネージャーがきちんと査定に取り組んでいるのか調べてみましょう。
上司の上司に相談してみるとか、人事の査定担当に聞いてみるのがお勧めです。

まとめ

  • 外資系は基本年俸制。
    一般的に諸手当はなく、年俸を12等分して毎月支払う事が多いです。
    裁量労働制の場合が多く、残業代は支払われません。
    基本給の他に業績賞与やストックを提供する企業もあります。
  • 採用時の給与は、募集職種の職級と給与レンジ、自分の現職の年俸、自分が希望する年俸を加味して決まっていきます。
    想定する給与の幅はかなり広いと想定して、うまく交渉しましょう。
  • 外資系企業の査定は部下を持つマネージャー同士の大バトル。
    一番成果を出した社員のグループに入れば大幅昇給も期待できますが、それ以外なら年次昇給は微々たるものと思ってください。
    昇給のコツは他のマネージャーに認められる大きな成果と、自分のマネージャーの査定スキルです。

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