外資系企業で突然クビになる3つのリスク

入社後の待遇

 

外資系社員は仕事ができないと評価されると、すぐにクビになるって思っていませんか。

金融系のディーラーなどで、最高何億円も稼げるけど、その何倍もの売り上げ目標を持たされます。
確かにこういうハイリスクハイリターンの仕事の場合は、失敗即確実に解雇されてしまうような事があります。

私が長年勤めてきた外資系IT企業では、失敗即解雇のような事はありませんでした。
この記事では、外資系企業で実際に職を失う3つのリスクについてご説明します。

 

本人が成果を出せない場合

外資系企業では、仕事上のゴール設定とその効果測定をきっちり行います。
年功序列でなく成果主義で昇進昇給が決まっていくため、個人の評価は公平かつ正確に行われます。
査定会議では、マネージャー同士で自分の部下の成果を認めてもらうために激しい議論になるのはよくあることです。

一方、期待された成果を発揮できない社員への評価も公正かつ正確に行われます。
会社によって状況は違いますが、IT外資系では社員の下位5%以下程度が、悪い評価を受けることが多いです。

悪い評価を取ってしまった社員には、一般的に下記のような改善計画が実施されます。

  • 直属上司が成果改善計画(PIP – Performance Improvement Plan)を作成、本人と合意します。
  • 半年ほどのPIPレビュー期間中、本人の能力改善ができたか定期的に確認します。
  • PIPレビュー期間終了後、定めた目標に達したか確認、確認書にサインを求められます

改善計画が失敗に終わった場合、時期はまちまちですが、遅くとも次の査定までには退職勧告がされることになります。
結果、本人が納得して退職するか、他の職種に空きがあればそちらに移してもらうか、あるいはゴネて働き続けるかになります。

外資系の社員も日本の雇用法に守られているので、業務に大きな支障を与えるような問題でもない限り、雇用側から簡単に解雇することはできないのです。
私も現役マネージャ時代、どうにもならん人たちに退職してもらうのに、人事担当と一緒にずいぶん苦労した記憶があります。

これから外資系に転職しようとしている方に注意していただきたいのは、目指す会社のビジョン・カルチャーに賛同できて、応募しようとしている仕事は魅力的で、自分が能力を発揮できるかどうかです。
仕事を選び間違って、成果が出せないリスクは誰にでもありえます。
間違いのない仕事であれば、首の心配をビクビクしなくてもよいです。
そのためには、その会社の募集要項や口コミサイトなどで情報を確実に集めましょう。

ところで、試用期間中は全く別の話になりますのでご注意ください。
日本の会社では試用期間中にクビになる人はそれほど多くありませんが、外資系はダメと判断したら確実にやります。
日本で使えない社員を雇ってしまった場合、容易に解雇できるのは試用期間だけだからです。

リストラ

個人の成果による解雇よりも、リストラによって職を失うリスクの方が要注意です。
日本の会社だと年功序列で給料の高い40代、50代からリストラ、みたいなパターンが往々です。
しかし、外資だと年齢と給料の相関あまりないですから、全年齢バッサリ来ます。

外資系企業、特にIT系など変化の激しい会社では、会社の戦略変更を機敏に行っていく必要があります。
結果として、上層部の組織変更、製品の取捨選択、事業部の解体などが結構な頻度で発生しますが、これらは大概大きなリストラを伴います。

一番極端なケースはレイオフによる即日解雇です。

朝、会議室に事業部全員召集させられると、人事部長からひと言

『不採算のためみなさんの事業部が解体になりました。全員本日で解雇となります。このまま全員帰宅してください。詳細は別途連絡します』

みたいな感じです。怖いですねー。
以前、マイクロソフトのXBOX部門がグローバルで数千人規模のレイオフをした際、日本でも36人が即日解雇されたと報道されました。

実際のところ、レイオフによる即日解雇は、会社側のインパクトが余りにも大きすぎるので、海外でも滅多に実施しません。

外資系で最も一般的なリストラは『退職勧奨プログラム (Voluntary Separation Program)』として実行されます。
退職勧奨プログラムには、退職金割り増し支払い等の他、再就職サポートプログラムなどがセットされています。
『解雇』ではなく『依願退職』という位置づけにして、将来の雇用やビザ申請に関する規制などを防止したいという会社側の腹の内があります。

リストラを実行する事業部の社員には、実施当日会議室などに集められて概要を説明されます。
この時、退職パッケージを渡されて以下の内容に同意するよう、サインを求められます。

  • 不採算により事業部を閉鎖することになった。本日以降あなたの仕事はない
  • ついてはXか月の間に社内で他の仕事を見つけるか、割増金付きの退職パッケージを受け取って自主退職
  • Xか月たっても社内に仕事がなければ、割増金なしのパッケージで自主退職

こういった外資系でのリストラのリスクを避ける事は非常に難しいです。
どの事業部が将来リストラに合うかなど、予測不可能ですから。
事業部どころか、小規模の日本支社なら、『日本支社ごとリストラ』とかだってありえます。
外資系でリストラのリスクが高まっている信号はいくつかあります。

  • CEOまたはCEO-1レベルのマネジメントが交代
    上層部が変わると、大規模な組織変更(re-organization; reorg)をして、新しい組織を作ります。結果として不要な部署が切り落とされる事が多いです。
  • 会社または事業部の業績悪化
    会社全体または事業部単位のリストラのリスクが高まります。
  • 新規職員採用停止(hiring freeze、ハイアリングフリーズ)
    これを行っている間、会社のマネジメントと人事部が会社全体のリソースの是非を調査しています。

リストラを個人で避けることはできませんが、リスクを減らす方法を考えるとしたら、

  • 稼ぎ頭の事業部で働く
  • 複数年の成功実績がある事業部(支社)で働く

ぐらいでしょうか。でも、新しい製品・サービス立ち上げ部署や、新しく立ち上げる日本支社には、挑戦する醍醐味もあります。
慎重に検討して自分で納得のできる職種・企業で働きたいですね。

ハラスメントやコンプライアンス違反


外資系はハラスメントやコンプライアンス違反にあたる行為に対して本当に容赦がありません。
超大企業のCEOですら、セクハラ・パワハラを理由に解雇になる事が良くあります。
最近では半導体メーカーのインテルのCEOが、部下との『不適切な関係』を理由に解雇されました。

上司と部下で結婚した、なんて話は日本の企業でたまに聞きますが、アメリカの企業では上司と部下でデートに行ったらセクハラで解雇もありえます。
直接の上下関係はもとより、査定で同一グループにいる間接的な上下関係、とかでもセクハラ・パワハラと取られることもありえます。

コンプライアンス違反に関しては、業者との癒着や、政府官公庁との不適切な金品授受、競合他社との不適切な取引、機密情報の取り扱いなど、微に入り細に入り定められています。

日本の企業だと、何らかのハラスメントにあって人事部などに相談に行っても、あまり建設的な対応をしてくれなかったり、下手するとハラスメントしている本人にリークしてしまうこともあるようです。

外資系ではハラスメントやコンプライアンス違反に関して、匿名で報告できるホットライン(メールアカウント)が設定され、本人や目撃者からの報告が推奨されています。
私自身も、これまで何人もの人がセクハラ・パワハラで摘発・解雇されてきたのを見てきました。

外資系企業に入社するなら、ハラスメントやコンプライアンスに関する問題には敏感になっておきましょう。
入社後は社内でトレーニングが提供されますので、真剣に取り組んでください。

まとめ

  • 外資系は成果主義。公平に評価される一方、成績が振るわない社員には厳しい改善プログラムが待っています。
    でも、金融系ディーラーでもなければ、そう簡単にはクビにはなりません。
    自分に合う仕事で成果を出していければ、成績不良による解雇のリスクは、日本企業とさほど変わらない事が多いです。
  • 一方、気をつけようがないリスクは事業部、日本支社ごとのリストラです。確実にさける方法はありませんがある程度の覚悟と準備は必要です。
  • ハラスメントやコンプライアンス違反は要注意。起こしてしまえば容赦ない処分が待っています。
まさるー
まさるー

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