実力主義、成果主義と言われる外資系企業。
フラットな組織体制のため、管理職(people manager)の数は非常に少なく、管理職ポジションをゲットするのは至難の技になっています。
年功序列は全く考慮されませんから、日本の会社のように長年勤めても管理職の順番は回ってきません。
ほとんどの外資系企業では、管理職への昇進試験などもありません。
そんな環境の中、外資系企業で管理職になるためのヒントをまとめていきます。
外資系企業での出世の意味
外資系企業がフラットな組織(スタッフレベルが多く、階層が少なく、管理職が少ない)を維持できているのには理由があります。
日本の会社だと、役職が上がらないと、給料が大きく上がらない昇給体系になっている場合が多いです。
外資系企業だと、スタッフレベル(IC: Individual Contributor) であっても管理職よりも高い給料をもらう事も出来る職級・給与体系を持っています。
これにより、専門能力に長けた社員に長年働き続けるモチベーションを持ってもらう事ができるわけです。
待遇面で言えば、必ずしも管理職にならなくても十分満足できるのが外資系企業です。
実際、職級が上がるような査定があると、年俸で一気に数百万円アップすることもあります。
日本の企業と違って、外資系企業では40-50代で管理職でない社員はたくさんいますし、その専門性はしっかりとリスペクトされています。
その上でなお管理職を目指すのであれば、上司含めマネジメント層が納得できる、明確な目的を持つ必要があります。
ちょっとぶっちゃけると、闇雲に『俺を管理職にしろ!』ってやかましい社員良くいるんですよ。
そういうやつに限って問題社員だったりします。(ぼそっ
上司との良好な関係構築は必須
外資系企業で、直属の上司の管理職としての権限は絶大です。
あなたの年次査定はもちろん、プロジェクトを実施する高額な予算の割り当てや、日々のあらゆる承認等、日本企業と比べると、一人の管理職の決裁権限はとても大きくなっています。
あなたを管理職者に育てるのは、上司の定められた仕事ではありませんが、理解とサポートを得ていないと実現は非常に難しいでしょう。
あなたがどこかの部署の管理職ポジションに応募したとしたら、必ず上司にチェックが入ります。
日ごろから、自分の上司との良好な関係づくりを心掛けてください。
上司にとってはメリットのある仕事ではないので、上司の仕事をなんやかんや助けるとか、上司と良く食事に行くとか、多少のゴマすりぐらいはしてください。
『僕は5時以降は会社の付き合いはしません』てな人はムリでしょう。
一方、いくら努力しても人間としていい関係が作れない上司もいるでしょう。
その場合はその上司の下にいる間は大きな成果はあきらめて、まず他部署への異動を狙う方がよいでしょう。
上司と良好な関係が構築できた上で、上司にはあなたが管理職を希望していることを上層部に売り込んでもらいましょう。
その際、上司が『あなたを管理職者にすると会社にとって何のメリットがあるか』を論理的に売り込める状態にしておく必要があります。
単に『彼はマネージャーになりたいって切望してるんです。』なんて言っても上層部は見向きもしないでしょう。
目立つ成果を上げ続ける
あなたを管理職に引き上げるための売り文句として最も効果的なのは、『全社的に目立つ成果を上げる仕事をリードする』事です。
目覚ましい成果を出す大きな仕事をリードする際には、社内外の沢山のステークホルダー(stake holders/ 利害関係者)を巻き込んで進める事になります。
その中には、他部署の管理職者や、より上のマネジメント、あるいは社長もレビュー、決裁の場面に登場するかもしれません。
こういった大きなプロジェクトを回していくことにより、あなたの仕事の成果と、リーダーシップ能力が社内関係者に広く知られていくことになります。
大きな成果を出すということは、年次査定でもそれがきちんと認められる必要があります。
あなたが如何に様々な部署、ステークホルダーに影響を与え、連携して成果を出したか、を主体として上司に大幅給料アップか、職級アップを勝ち取ってもらいましょう。
これにより、社内の査定レビューの参加マネージャー達に、あなたの能力がされに知れ渡ることになります。
ビッグプロジェクトを複数回成功させて、査定で職級アップを勝ち取っていれば、空きポジションさえあれば、あなたは確実に管理職候補の筆頭にいるはずです。
ちなみに、ここまでで年俸も相当上がっているでしょうから、管理職でなくても十分満足できる待遇かもしれませんよ。(笑)
自分の売り込み
自分の上司だけに依存しても、中々管理職にはなれません。
なぜなら、ほとんどのケースであなたは上司と横並び以上のポジションを勝ち取る必要があるわけですから、より上層部へのアプローチも必要です。
ただし、上司との関係に波風が立たないよう、きちんと事前に連携してやりましょう。
外資系企業はコミュニケーションについては風通しが非常に良い会社が多いです。
そういった会社では、マネジメントや社長との1オン1ミーティング(1:1, 1+1; 一対一の面談)を奨励していたり、話す機会を作ってくれたりします。
こういった機会を逃さず、自分を管理職に持ち上げるとマネジメントにとって、会社にとってどうプラスになるかを売り込みましょう。
闇雲にマネージャーになりたがるダメ社員がいる一方、できる社員は意外と自分から管理職になりたいと言い出さないんです。
きちんとストーリー立てて自分が管理職になりたいと売り込まれるのは、マネジメントにとって新鮮で心に残るケースになるでしょう。
外資系企業はそれぞれビジョン、戦略や行動規範がそれぞれユニークで、外から来た人は馴染むのに時間がかかると考えています。
特に、管理職に空きポジションが出た場合、まずはなんとか社内で候補者を見つけようとします。
その時、あなたの名前が心に残っていれば、、あとはわかりますね。
あと、多くの外資系企業では、管理職も含めて、空きポジションがでると社内求人システムに公開されます。
その中に自分が希望する職種の管理職ポジションがあったら、応募しましょう。
自分の上司といい関係が築けていたら、連携しながら進めましょう。
上司と関係が良くなくても、大企業で上司の目の届かないようなポジションであれば、うまくいけばそのままするっと採用されることもあるかもしれません。
外資系で管理職になる覚悟
最初の方で、『上司の管理職としての権限は絶大』という話をしました。
管理職になるということは、そちら側に回るということで、色々な覚悟が必要です。
外資系企業では上下関係はオープンでダイレクトに話ができる環境を推進しています。
結果として、あなたの部下は色々と難しい交渉や問題を持ちかけてきます。日本の会社のなんでも言うことを聞く部下ではありません。
一方、会社のマネジメントからの要求は数段高くなります。部下の数と予算に応じた大きな成果を出す必要があります。
また、部下の査定昇給には全権の責任を持っていますので、日ごろから彼らの成功へのサポートと査定での交渉に全力を尽くす必要があります。
管理職のあなたは大きな決裁権限を持っていますが、上層部と部下に挟まれながら重要なビジネス判断・決裁をスピーディにする必要があります。
結構なストレスです。
外資系につきもののリストラですが、場合によっては管理職として部下たちに引導を渡す立場になってしまう事もあります。
相当なストレスですが、こんな事もやり遂げなくてはいけません。
それでも外資系管理職、なりたいですか?
なりたければ、よし、まずは上司に相談だー!
まとめ
- 外資系企業だと、スタッフレベルであっても管理職よりも高い給料をもらう事も出来る職級・給与体系を持っています。
その上でなお管理職を目指すのであれば、上司含めマネジメント層が納得できる、明確な目的を持つ必要があります。
- 管理職になるために、直属の上司のサポートは非常に重要です。上司と協力な信頼関係をが構築し、あなたが管理職に適任だと上層部に売り込んでもらいましょう。
その際、『あなたを管理職者にすると会社にとって何のメリットがあるか』ストーリーが必要です。
- あなたを管理職に引き上げるための売り文句として最も効果的なのは、『全社的に目立つ成果を上げる仕事をリードする』事です。
ビッグプロジェクトを複数回成功させて、査定で職級アップを勝ち取っていれば、空きポジションさえあれば、あなたは確実に管理職候補の筆頭にいるはずです。
- 外資系企業管理職は、大きな権限を持つ一方、決断能力やリスク管理など、相当なストレスのあるポジションです。覚悟のうえで進みましょう。
ご質問、ご意見などありましたら、コメント欄かTwitter(@Gaishiinfo) までお気軽にどうぞ。
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