外資系企業が40・50代を狙ったリストラをしない3つの理由

 

富士通、中外製薬、カシオ計算機、キリン、オンワード、朝日新聞など大手企業で40-50代を対象にした大規模な早期退職を募集しています。
東京商工リサーチによれば、今年1-11月に早期・希望退職者を募集した上場企業は36社、対象者は1万1,351人に達し、過去最多、20年で3倍になったそうです。

今後も大企業の40代、50代を狙い撃ちした大規模な早期退職が実施されると言われています。
(出典: 現代ビジネス)

一方、外資系企業は中高年社員を狙い撃ちでリストラや、半ば強制的な早期退職勧奨するような事はしません。

大きな理由は三つあると考えます。

1. 年齢による差別は禁止

海外の企業の多くでは年齢などによる雇用の差別は法律で禁止されています。
そのため、求人等の際にも生年月日や、年齢の特定につながる情報を要求することはありません。

もし欧米の企業が『40歳以上の社員特定で退職勧奨』をするような事があれば訴訟問題に発展してしまうでしょう。

日本に支社を持つ外資系企業では、日本でも欧米と同様に年齢による雇用・人事的差別をしません。

2. 高年齢=高給ではない

終身雇用を前提とした日本の企業では、大抜擢でもない限り、大多数の社員は年齢とともに給料が自動的に少しづつ上がっていく、年功序列での昇給が行われています。
結果として、中高年社員が最も高い給与を得ているため、リストラによる経費削減のターゲットになりやすい側面があると思います。

外資系企業は成果主義のため社員の役職や給与額は年齢と直接的な関係がありません。
従って、年齢で区切ってリストラをする意味があまりないのです。

外資系企業では20代で副社長、年収3000万もらっている人もいれば、50代で非管理職、年収900万のようなケースは全く珍しくありません。
社員は目覚ましい成果を出せば大幅給与アップ、普通なら昇給ゼロもあり。
徹底した実力主義社会です。

3. 定年退職がない

高年齢化が進む日本では、じわじわと年金受給、定年の年齢を上げる動きが起きています。

一方、欧米の多くの国では定年退職という概念自体ががありません。
働くことが可能であれば何歳まででも働くことができます。
歴史の長い会社の本社に行くと、かなり老齢の社員が元気に働いていてビックリしますよ。

それに合わせて、日本に支社を持つ外資系企業の多くでも定年がありません。

『もうすぐ定年退職だから、退職金割り増ししたら多くの人がやめるだろう』

という定年前倒し式早期退職勧奨は、外資系企業では当てはめられません。

外資系のリストラ

年齢差別も、年功序列も、定年退職もない外資系は別のやり方でリストラをします。

部署を丸ごと閉鎖するか、特定の職種を閉鎖にするかです。

  • 特定の事業が不採算ということであれば、その事業部を丸ごと閉鎖
    大きな電気メーカーだったとしたら、ある日突然不採算の携帯電話の事業部1000人がリストラです。
  • 会社全体の業績が不振ということで、複数の事業部で特定の職種を閉鎖
    これはposition close(職務閉鎖)と呼ばれ、該当した職務に就いている人がリストラされるわけです。
    例えば、10の事業部で合計30のプリセールスのポジションを削減、のように実行されます。

どちらのケースでも、社員に『自主的な退職を承認』してもらう代わりに、『退職勧奨パッケージ』で割増退職金が支給されます。
承諾書にサインして割増退職金をもらえば、後日訴訟などが避けられるという仕組みです。

一方、辞める側もあきらめがつき、後年会社の業績が復帰したころ、戻ってくる社員がちらほらいたりします。
日本の大企業のリストラ部屋送りなどの処遇は禍根が残りまくりで、戻る社員はあまりいないでしょうね。

日本の大企業のこれから


日本の大企業の終身雇用は事実上崩壊しつつあるように思えます。

一生会社が雇用してくれる、長く働いていれば昇給も保証されている。

それが日系大企業でコツコツ働くモチベーションだったと思うのですが、今や志半ばの40-50代の退職を推進するようになってしまっています。

『外資系はすぐクビになる、福利厚生が悪い』

ずっと嘯かれてきましたが、逆転する日も近いのではないでしょうか。

日本企業は今後、終身雇用をベースとした給与システム、評価制度など、根本的な部分にメスを入れる必要があると感じます。
早期退職でコストが高い中高年社員を削減する、なんて付け焼刃の施策を取るだけでは何も解決しませんし、働きざかりの若い層を失望させるだけです。

私も何度か大規模なリストラを経験してきましたが、一番大きな教訓は

リストラが起きてから転職活動を始めたら手遅れ

ということです。
大規模なリストラが起きると、多数の社員が社内外で一斉に仕事を探し始めるので、競争が激しすぎて勝てないのです。
世知辛いご時世ですから、日ごろから準備をしておくことを強くおススメします。

万一に備えて求人情報のウォッチを始めるのは転職サイトへの登録がベストです。
複数の企業の求人情報が一元的に確認できますし、希望の職種を登録しておけば、希望の求人があったらメールで連絡をくれます。
流し見しているだけでも、その時々の求人状況の勉強になりますし、その気がなくても面白そうな求人を見つけてしまったりもします。
転職は水物なので、何もしないでいると知らないうちにチャンスを逃す事は往々にしてあります。

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